このサイトにはメールフォームがあるのですが、先日こんなメールが届きました。
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匿名希望
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ラノベとかでよくある、幼馴染が看病しに来た時に作る真っ黒い灰みたいな料理を再現してみてください!
メールありがとうございます。そして、この記事はもうあります。
2019年4月17日にオモコロというサイトにて『料理苦手なヒロインがつくる「エグい料理」をケーキで再現してみた』という記事がアップされています(この記事の最期にリンクを貼っておくので是非読んでみてくだ~~~)。
1990年代後半頃にテキストサイトが誕生し、その後回線が太くなりflashや動画が流行りだし、Twitterやnoteのような手軽なサービスも増えた現代日本。何か「こんな記事を書きたい」というようなアイデアを思いついたところで、基本的には誰かの手垢がついている状態です。
手垢がついているのはアイデアだけではありません。例えば、黒い目線を入れた自撮りに「こんにちは、〇〇です。」という挨拶で始まる記事と言われた時に、1人思い浮かぶ人がいますよね?ボイスパーッカッションと顔芸を披露しながら商品紹介をする動画と言われた時に、1人思い浮かぶ人がいますよね?このように、アイデアだけではなくスタイルにも手垢がついているのです。
アイデアが被るのは「パクり」になる可能性があります。しかし、スタイルが被るのはどうでしょう。
黒い目線を入れた自撮りに「こんにちは、〇〇です。」という挨拶で始まる記事を書いても良いとは思いますが、読み手は一瞬「あの人っぽい記事だな」と記事の内容とは関係の無い事を考えてしまうでしょう。
このように、手垢のついたスタイルは読み手に関係の無い事を考えさせてしまうのです。俺はこの手垢のついたスタイルを暗黙の特許と呼んでいます。
プロレスラーのようなマスクをつけて生配信をする事、
後ろを向いているキャラの横に表情を描く事、
ノコノコやクリボーなどを擬人化してエロFlashを作る事、
安倍総理みたいな顔をして食べちゃいけない物を食べる事、
嫁が居ない間に全裸でベースを弾く事、
旅先での排便事情を恐ろしくリアルに描写する事、
水泳部である事を活かして踊ってみた動画を投稿する事、
一生中2と名乗って田舎で暴れる事、
狐のお面をつけてハイテンションで料理をする事、
絶叫に定評のある友人とゲーム実況をする事、
ゾンビのコスプレをして踊る事、
ベアクローを両手に装着していつもの2倍のジャンプをしていつもの3倍の回転を加える事でバッファローマンを上回る1200万パワーになる事、
これらは全て暗黙の特許を取得しているスタイルです。
しかし、全てのスタイルが暗黙の特許を取得できるわけではありません。例えば、皆さんは「イカれ頭のねじ外れ野郎」や「おけけのK」という言葉をご存知でしょうか。これらは俺が流行らせようとして大失敗した言葉なのですが、このように知名度や影響力が無ければ暗黙の特許を取得出来ないのです。
まあ要するにこの記事を通して何を伝えたいのかと言うと……
そんな事をしたって1200万パワーにはならんだろ。
料理苦手なヒロインがつくる「エグい料理」をケーキで再現してみた