高校3年の秋、修学旅行を休んだ奴らは卓球が強かった。




高校3年の秋、俺は修学旅行に行きませんでした。

ちゃんと学校には通っていました。友達もいました。なので、もちろん修学旅行にも行く予定でした。しかし、当時の俺は週に38億回くらい(カンナムスタイルの再生回数と同等)の頻度で腹を壊す体質だったので、医者に「行っちゃ駄目よ」と言われてしまったのです。つまり俺は、世にも珍しい修学旅行にドクターストップがかかった男です。




修学旅行に行かなかった生徒は欠席という事で家でゆっくり…… という訳にも行かず、学校に登校する事になりました。
いつも通りの時間に登校し、いつも通りの教室に行き、いつも通りのドアを開けると、いつもとは比べ物にならないメガネ比率。いや。別に良いけど。


教室を見回すと、10人程度の同級生と担任を持たない先生が1人。そして、黒板には「1時限目 読書 2時限目 卓球」とだけ。どうやらこの数人だけで授業を進めても仕方が無いので、適当に時間を潰してさっさと下校させられるらしいです。ラッキー。




1時限目の読書は「言うても自習の時間になるんだろうな」と思っていたのですが、本当に1時間読書をしただけで終わりでした。高校に入学して3年目、こんなに楽に出席日数を稼げる日が来るとは夢にも思っていませんでした。


きっと今日という日はただひたすらに緩い1日なのだろう、この時の俺はそう確信していました。しかし、2時限目になると周りの生徒が豹変したのです。


さっきまで横書きで挿絵付きのラノベですら集中力が続かずに読むのを断念していたような奴らが、卓球のラケットを縦に、横に、斜めに。ピンポン玉は常に曲線を描いて台上を自由に飛び回っていました。そうです、修学旅行を休んだ奴の半数以上が卓球経験者だったのです。


そういえば、高校を卒業して情報処理系の専門学校に入学した時も、同級生の卓球経験者の多さに驚いた記憶があります。





何故、何故なんだ。
何故俺の周りには卓球経験者が集まるんだ。

考えろ。考えろ。考えろ。
必ず答えはある。











……そうか。そういう事か。

俺も中学時代は卓球部員だった。


ひかれ合うんだ。


卓球経験者は卓球経験者にひかれ合うんだ……!
























だから何?